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「多言語環境で育つ子どもたち」開催報告

9/25/2019 | ORIGAMI KIDS

9月22日(日)、25名という多数のご参加をいただき、森美子ジョージタウン大学東アジア言語文化学部准教授兼日本語プログラム主任をお迎えして、「多言語環境で育つ子どもたち」と題したセミナーを開催しました。

森先生が「継承語=Heritage language」の研究にご興味を持たれたのは、ご自身が英語を学んだ状況とお子様が置かれた状況の違いに気付いたことが契機だったそうです。家庭の中と外と異なる言語・文化環境にいる子どもたち、利点を享受している一方でマイナス面も有り、バランスを取るのはとても難しいです。継承語というのは放っておくと3世代で消滅してしまうもの、その維持(発展)の為には自然の流れに逆らう程の支援が必要という指摘に少なからず衝撃を受けました。

「多言語環境で育つ子どもたち」開催報告
森先生のお話は、カミンズの氷山モデルのご説明に及び、第一言語の土台を形成する大切さや複数言語が加算的に伸びるにはどのような支援が重要か、家庭でできること、学校が担う役割、そしてコミュニティとして取り組むこと等、幾層にも重なっての支援が必要だということが分かりました。また、森先生が実施した調査によると、「日本語が好き」という理由で学習している生徒は日本語能力が高いそうです。語学の勉強はどうしてもコツコツ地味な作業の繰り返しですが、何とか工夫して子どもが日本語にポジティブなイメージを持ち続けられるように助けてあげることが大切なんだと改めて実感しました。
「多言語環境で育つ子どもたち」開催報告

講演の後には、参加者からの質問にお答えいただきました。一人の親が一言語に徹するのはなぜ大切か、子どもが自分の得意な言語(つまり英語ですね)で話しかけてくる時の対応方法、3言語以上の環境にいる子どもへの支援等々、質問は尽きませんでした。同じ子どもでも成長するに伴い親との関係性も変わりますので、親の言う通りにはならなくなりますが、「子どものアイデンティティーを最終的に決めるのは子ども」という森先生の言葉が印象的でした。

森先生、ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。

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