私の生き方 in アメリカ

#3: 子どもと関わる仕事を続けていきたい!- Y.N.さん(VA)

11/14/2022 | 私の生き方 in アメリカ インタビュー

今回は学校でアシスタントとして働いていらっしゃるY.N.さんをご紹介いたします。

1 . 今何か情熱を持って取り組んでいることはありますか?

昨年(2021年)から学校の先生のアシスタントとして働いています。私が担当しているのは一年生です。一番下の子供がkindergartenに入るのをきっかけに、それまでは専業主婦でしたが、社会との関わりをもっと持ちたいと思い仕事を探し始めました。私の住んでいるCountyの学校でカフェテリアの仕事の募集があったので、そこに応募するとすぐに電話がかかってきて面接となりました。実際に面接してみると、“先生のアシスタントのポジションもあるけど、どうか?”という風に副校長先生から聞かれました。しかし最初はカフェテリアで働くことにし、その二か月後にアシスタントの仕事をすることになりました。

2. なぜ学校関係の仕事に応募しようと思いましたか?

子供と同じCountyの学校だと、子供の学校が休みになった時も自分の学校も休みになるので、子供をデイケア等に預ける必要がなく、子育てと仕事を両立しやすいと思いました。あとは、昔から子供と接するのが好きだったので、子供に関わる仕事に就きたいなと思っていました。なので、まずは学校関係のコネクションを作るために、職種を限定せずに学校という場所で働ける仕事を探しました。特にアメリカで仕事を探す上ではコネクションが重要となることを知っていたのでそのようにしました。

3. 先生のアシスタントとは具体的にどのような仕事ですか?

私の第一の仕事は、先生が授業をスムーズに進められるように、子供たちの様子を見てサポートすることです。授業中にうまく集中できなかったり、喧嘩を始めたり、体調が悪いという子供たちがいます。そのような時に先生の代わりにサポートするのが私の役目です。授業についていけない子供たちに対しては、個別に勉強を教えてあげたりもします。授業の勉強の他にも、お昼休みになれば子供たちをカフェテリアに連れていきオーダーするのを手伝ったり、自由時間にもトラブルのないよう子供たちを見守ります。

4. 今のお仕事でやりがいを感じることは何ですか?

勉強の分からない子供に対して、説明して分かってもらえた時にとても嬉しく思います。アメリカの子供たちは“Why?”と何度も聞いてきます。それに対して根気強く説明してあげることが重要です。子供たちが何度も分からないと言っても励まし続けます。大変なことではありますが、子供たちが分かった時は、私も子供たちと同じよう様に大喜びします。とは言っても、一筋縄ではいかない時もあります。そのような時には、他の先生に“あなただったらどうする?”と相談してアイデアをもらい、色々な方法を試しながら子供たちと向き合っています。

5. アメリカに来て苦労したことはありますか?

私は国際結婚を機に渡米し、最初に住んだのはテネシー州でした。南部の訛りや初めての車の運転に苦労しました。その他にも、文化の違い等に悩み自分が間違っているのではないかと気にしすぎてしまったこともありました。しかし、“この国に住むと決めたのは自分だし、強くならなきゃ。”という気持ちが次第に芽生えるようになり、苦労を感じることは少なくなりました。夫の家族の支えもあったので、それも大きかったように思います。

6. 日本に帰りたいと思うことはありますか?

あまりないですね。日本に住みたいかと言われると微妙です。日本と比較すると、アメリカは小さいことや他人の目を比較しなくていいので気持ち的に楽な気がします。また、自分が言いたいことも言いやすくなりました。アメリカは自分から何か発言や行動を起こさないと事が進まないので自然とそのようになったと思います。特に子供ができてからは、子供のためもあって行動力がより高まったと思います。余談ですが、子供たち同士で勝手に母親の電話番号を教えあったりしていて、アメリカの子供は行動力がすごいなと思います。(笑)

7.  今後の目標等はありますか?

将来も子供と関わる仕事は続けたいと思っています。今の環境は家庭と仕事のバランスがうまく取れているように思います。今の仕事でもっとキャリアをつけながら、資格等も取りたいと考えています。もっと先の未来にはなりますが、自分の子供たちが手を離れて時間や経済的にも余裕ができるようになれば、Foster Familyをやりたいと考えています。これは昔から考えていたことです。Foster Familyは、行き場のない子供たちを預かり、Adoptionまで自分の家で面倒をみます。一人でも多く、困難な状況にある子供たちを助けたいです。子供たちは弱い立場にいるので、大人が手を差し伸べてあげるべきだと思っています。これは今の仕事にも通じることですが、親身になって子供たちに接し、少しでも子供たちの頭の片隅に残るようなサポートをしたいと考えています。

8. 最後にアメリカ生活を楽しくするためのアドバイスはありますか?

興味のあることや、少しでもやってみたいと思ったことに対して、まずは思い切ってやってみることだと思います。例えばジムに行くとかでも、ジムが好きな人はそこに集まります。同じものに興味がある人と話すのは楽しいですし、会話も膨らみます。そのように家から出て人と関わりを持つことで、どんどん人脈を広げることができます。私はいつも“なんとかなるさ”と思っています。合わなければ別にやめたっていいんです。

★Interviewerのあとがき

Y.N.さんは、子供と関わっていきたいという情熱のある方だと思いました。遠い将来の話とはおっしゃていましたが、Foster Familyをやってみたいというお話はとても素晴らしいと思いました。本当に残念ですが、現実的に複雑な環境下に置かれてしまう子供たちは存在します。子供の頃の辛い環境や経験というのは、子供たちの将来を大きく左右します。誰か一人でも、そのような子供たちに手を差し伸べたり側にいてあげられる大人がいることで、子供たちの未来は前向きな方向に変わると思います。子供は未来の社会を作ります。つまり子供をサポートすることは、将来の良い社会作りにも貢献していると言えます。このような身近な助けが積み重なり連鎖を生み、将来社会に大きな変化をもたらすのではないでしょうか。

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