「女性の生き方 in アメリカ」第二弾は、コミュニティカレッジで英語を勉強後、現在はカフェで働いていらっしゃるY.N. さんです。
1. 今情熱を持って取り組んでいることは何ですか?
カフェに勤めながら、コーヒーの勉強をしています。私は約一年半前に国際結婚でアメリカに引っ越してきました。日本では看護師の仕事をしていましたが、アメリカに来てWork Permitがもらえるまで働けなかったこともあり、何の仕事がしたいのかを考えるようになりました。元々看護師として働いていた時には、仕事前にカフェに行ってコーヒーを買うことが私の毎日のスタートでした。仕事以外でも休日にカフェに行って息抜きをしていました。看護師は人を助ける仕事ですが、人を癒す仕事もしてみたいなというのが自分の中でありました。もちろんコーヒーも好きだったので、カフェの仕事に挑戦してみたいと思い今の仕事に至ります。
2. その仕事のどんなところが楽しいですか?逆に大変なことはありますか?
楽しいことはコーヒーを作ることです。アメリカはカスタムでオーダーする人が多いので、そういった方のリクエストに合ったコーヒーを作って、お客さんが“めちゃくちゃ美味しい!”と喜んでくれる時がとても嬉しいです。詳細なフィードバックをくださる時もあり、とても勉強になります。逆にカスタムの要求が多いことで大変なこともあります。人によっては英語の言いまわしが多くて聞き取るのが難しいです。また、シロップを何ポンプとかそういった細かいリクエストもあります。お客様が気に入らなかった時には、もう一度作ってほしいと言われることもあります。カスタムのリクエストが多い分、満足してもらえるドリンクを作ることが難しいです。
3. アメリカ生活で苦労したことはありますか?
英語ですね。私は英語圏で留学したこともなく、夫との会話も日本語が多いので、あまり英語を使う機会が多くなかったこともあり、英語がすごく喋れるというわけではありませんでした。Fairfax Countyのオンラインの英会話授業を受けたりもしましたが、同じクラス内でもレベルの差が大きく、年齢層にも偏りがあり、リラックスした雰囲気だったので、本格的に勉強するためにNorthern Virginia Community CollegeのESLに一学期間通うことにしました。Community CollegeのESLでは、SpeakingとWriting、Listening、Readingのクラスを取りました。Speakingの授業ではプレゼンテーションスキルを学び、その他の授業はアカデミックな内容となっていました。出席日数も決まっていて、授業毎に課題もでて先生が評価したりと、かなりミッチリした内容となっていました。
4. アメリカにきて、自分が成長したと思えるようなきっかけ・体験談はありますか?
ESLが終わってから、よりOutgoingになりました。学校で色々な人と会って英語でコミュニケーションをするようになって、英語への壁がなくなったように思います。アメリカは日本に比べて個性が豊かな人が多いので、そういった文化の違いも受け入れられるようになった思います。また仕事も始めて、きめ細やかなサービスをしてチップを多く貰えた時には、アメリカの社会で仕事を評価してもらえていると、自分の成長を実感することができます。
5. アメリカにいて、やりたいことが見つからずに、もやもやしている日本人へのメッセージはありますか?
出来るとか出来ないとかをあまり考えない方がいいと思います。出来たらラッキー、くらいに!!(笑)失敗していまうと自分を責めてしまいがちですが、気にしているのは自分だけで、他人はそこまで気にしていないと思います。他人の目を気にしていると、アメリカでは相手のペースに巻き込まれて自分のしたい様に事が進まないので、気にしない方が良いです。あとは固定観念を捨てることで自分の可能性も広がると思います。
日本で暮らしていると、親は自分のことは後回しで子供を育てることが親としてあるべき姿、自分のやりたいこともある程度は我慢したり諦めたりしなければならない時があったり、年齢に応じてこうあるべきだという大枠みたいな視点がまだ多くあるように感じます。 正直、私もこの歳になって学校にいくことに躊躇しました。日本の友人達は結婚して子供もいて家庭も築き始めている中、私は結婚したのに、これから学校にいって自分の夢を叶えるために時間を使ってもいいのか。日本文化に存在する”その歳でのあるべき姿”がいつも頭の片隅にありました。これが私の固定観念になっていたんだと思います。
そんな中、アメリカにやってきて、ESLに通っている時に子供が3人いて大学進学を目指している人に出会い、純粋にすごいと思うと同時に、自分がもっていた固定観念をはずかしく思いました。アメリカには“自分がどう生きたいか”ということが大事だと考えている人が多いように思います。この国では、日本にいた時に私が思っていた”こうあるべき”という考え方があまり目立たず、いつでも自分の夢を追いかけることができる環境であり、この歳だからこれはできないと思ったり、自分で自分の可能性と人生の幅を狭くしてしまうことほどもったいないことはないんだ!と思うようになりました。
また、毎日の生活の中で、悩んだり辛いと思った時は、日本人の友達に会って喋ることで気持ちをリフレッシュするようにしています。日本人の感覚で話を聞いてもらうことで、自分の本当の気持ちを吐き出すことができます。
6. 今後の目標はありますか?
今はバリスタの資格を取りたいと考えています。仕事の他には、色々な人種の方と関われるような機会にも積極的に参加したいとも思っています。色々な人種の方がいるのはアメリカならではだと思います。そういった方と関わってアメリカの文化や社会についても学んでいきたいです。また、将来看護師の仕事に戻りたいと思う日が来たら、アメリカで看護師を目指してもいいかなと思っています。
★カフェリンク
Cozy District Cafe – Coziest Cafe in Northern VA
★Interviewerのあとがき
N.Y.さんは実は私のお友達です。今回彼女にインタビューをお願いしたいと思った理由は、渡米してきて間もないことと、留学経験等がなく英語に自信がなかったことです。最近渡米して来られた方は、特に違う国で生活するにあたって、大きな不安を感じている方も多いと思います。さらに、英語にも自信がなく中々一歩を踏み出せなかったり、どうしていいのか分からない方もいるかと思います。そんな方にとって、彼女のインタビューを読むことで、“自分もやってみようかな”と何かを始めるきっかけになればいいなと思いました。また、彼女は日本でしていた仕事からキャリアチェンジしました。それも大きな葛藤があったと思います。“自分がどう生きたいか”というのをすごく考えたと思います。もしアメリカに来て仕事から離れて悩んでいる方がいるなら、過去に縛られずポジティブに自分と見つめ合うきっかけだと考えても良いと思います。