今回はMGMのマーケティング・VIPサービス部門のお仕事とフラワーデザイナーとして事業を運営するブラウン恵子さんをご紹介いたします。
1. アメリカに来た経緯や現在のお仕事について教えてください。
日本の大学からアメリカの大学へ編入して、インテリアデザインを専攻しました。その後、建築の仕事に就いたのですが、両親の看病の為、急遽、休職し帰国する事になりました。
当初2週間のお休みを予定していたのですが、結局、両親の看病に専念するため退職しました。その後、今後の生き方や仕事への向き合い方を考え直し、今までやってみたかった事、新しい事に挑戦しようと思い始めました。お花と関わる仕事がしたいと思い、池坊流いけばなとフローラルデザインスクールに通いました。卒業後、お花と関わる仕事に関し、具体的なイメージが描けていたのですが、結婚、子育て、転勤などで、結局行動に移せずに内心モヤモヤし、焦りも感じていました。
そこで、当時、引っ越し先となったサンフランシスコで、人と繋がりたいという思いから日系コミュニティーでお花のワークショップを開きました。たくさんの方々に参加していただき、月2回の講座を定期的に開催することができました。様々な方と知り合い、楽しいと感じると同時に、今の活動は趣味の延長線ではないかと思い、事業として立ち上げたいという思いが芽生えてきました。
そんな時に再びワシントンDCへの引っ越しが決まり、それを機に事業を立ち上げることを決意し、Sakura Designをスタートしました。しかし、子供達が小学校に通学し、子育てがひと段落するタイミングで、外に出たいという思いも募りました。ステップアップのために、一つの仕事に固執するのではなく、Sakura Designをサイドビジネスとし、その経験を活かしながら就職活動を行った結果、MGMリゾートの園芸部門のフラワーデザイナーとして採用されました。暫くの間は順調だったものの、コロナが始まり、お花への需要が低くなりました。安定したビジネスを維持することが困難になり、Sakura Designの事業は暫く休業せざるを得ない状況になりました。また、同時にMGMリゾートも私を含めてたくさんの雇用者が解雇となりました。
コロナの状況が落ち着いてきた頃合いを見計らって、再び就職活動をスタートし、1年ほど前にMGMのマーケティング・VIPサービス部門に再就職しました。現在は、VIPのお客様の滞在に関する様々なサポートをしております。今までの様々な業務経験を通して、経済界・政府関係、映画俳優の方々とも関わりがあった事などを評価していただいた結果、異種業界への転職につながったと考えています。
2. 今の仕事は楽しいですか?
MGMの新しいポジションでは、今までのインテリアデザインやフラワーデザインを通して得た経験を様々な形でいかせており、学びが多く楽しく仕事をしています。アジアからのお客様も多く、今年はMGM開催のさくら祭りの企画やお客様をサポートすることになり、日本語を使ってお仕事をすることができ嬉しく思います。MGMはマイノリティや女性の雇用率が高く、とても働きやすい環境です。
それと同時に、今の不安定な世界情勢を受け、バックアップの仕事を持つことの意味を感じており、自分を生かせるSakura Designの事業も再開・継続していきたいと思っています。サンフランシスコでワークショップをしていた時は、子育て中の母親という個人レベルの繋がりだったのですが、今は、仕事をすることで、アメリカの社会と繋がり、社会の一員として表に出ていけていることに喜びを感じています。
3. 今後の目標を教えてください。
仕事をされている多くの方々と同じだと思うのですが、仕事と家庭の両立は永遠の課題です。アメリカで近くに頼れる家族がいない環境ですが、仕事と家庭のバランスを保ちながら今後もMGMで自分の可能性を探っていきたいです。
4. アメリカにいて、やりたいことが見つからず、もやもやしている日本人女性へのメッセージをお願いします。
日本で教育を終え、お仕事をされた方々は、アメリカでゼロからのスタートとなると躊躇しがちかと思うのですが、全くそんなことはありません。仕事を探す際に、今の自分が関心あること、今までの様々な経験をもとに提供できる技術・スキルなどを、点と点を線として繋ぐ様に意識して考えることで就職の道が広がるのではと思います。日本で携わっていた業界・業種に限らずに、柔軟な発想を持ち仕事探しをされると良いのではないでしょうか。私もMGMで今の仕事に就くとは、夢にも思わなかったのですが、今まで点と点だったそれぞれの経験が線になり繋がった事を嬉しく思っています。
MGM National Harbor: https://mgmnationalharbor.mgmresorts.com
Sakura Design: http://sakuradesignfloral.com
★Interviewerのあとがき
恵子さんのおっしゃる点と点を線で繋ぐ考え方に共感できる方が多いのではと思いました。日本で勉強したことや働いた経験、ボランティア活動、習い事、取得した資格、そしてアメリカで学んだり経験したことなどを自分の強み(点)として考え、それを繋げていくと、自分に合った仕事にたどり着く。Hub Parkはまさにその線を見つけるお手伝いがしたいと活動をしていることもあり、恵子さんのお話を聞きながら、うなずくことが多かったです。恵子さんの今までのご経験、インテリアデザインやフラワーデザインは五感を使い楽しみ、空間をより良いものにすること。今のVIP 部門でのお仕事は、まさに恵子さんの強みが活かせると思います。今後のご活躍も楽しみにしています。